703 :おさかなくわえた名無しさん 2018/06/25(月) 09:18:02 ID:Pd/gnXx6.net
入院してた時の話。
6人同部屋ジジイばかりで、入れ代わり立ち代わりいろんな患者が居たんだけど
あれから10年以上経った今でも忘れられないのがTさん。
なんか高速道路のETCゲートの管理に関係する仕事してるらしいお金持ち。
ゲート作ってる会社何だかなんかよくわからないけど、戦争も行ってて従軍経験が
自慢なのよ。家族は妻と娘と娘と付き合ってて婚約してる(?)相手の男忄生。
男忄生まめにお見舞い来るんだけど、戦中の古い話ばっかして精神論ぶちまけるわけ。
まぁそれはいいや。とにかく相手の話は聞かない、自分の話は聞け、というわがままタイプ。
奥さんに対してはいちばんキツく当たって、「俺の話を聞きなさい!」そればっか。
で、奥さんもまたマメな人で、ほぼ毎日見舞いに来るんだわ。で、毎回「話聞け!」って
どやされて帰っていくの。娘さんだけが唯一対抗できる人で、しょっちゅうお互いに
ガミガミ言い合ってる感じ。まぁ同室の人もそんなに毎日家族で楺め事されたんじゃ
たまったもんじゃないわね。
でもまぁこの人が長居なんだわ(それ以上の長居の俺はどうなんだって話はさておきw)。
そうこうしているうちに、暮れも押し迫って、いよいよ大晦日って日・・・の早朝だ。
食事運ばれて食い始めてた朝7時位のこと。面会時間でもないのに娘さんが大慌てで
駆け込んできて開口一番、「お母さんが倒れた!」って。同じ病院に救急搬送して
もらったのだけど、もう一刻を争うから来てほしいとのこと。
704 :おさかなくわえた名無しさん 2018/06/25(月) 09:18:31 ID:Pd/gnXx6.net
奥さん、もともと足が弱い人で、毎日見舞いに来るのもつらい状態で、それでも
足を棒のようにして階段上り下りして頑張ってたんだそうだ。だけど、その日は
いつも連絡が来るはずの母親から電話がないので、駆けつけてみたら倒れていたんだと。
大動脈解離。まだその時点で息があったのが不思議な状態なんだけど、とにもかくにも
お父さんと同じ病院へってことでようやく搬送されて。

かわいそうにね。毎日あんなにどやされるためだけに見舞いに駆けつけて、一切
反発することもなくストレス溜めこんで。それで、先に逝けばいい旦那よりも先に
召されてしまって。この奥さんの一生ってなんなんだろうと。
Tさん、最期には間に合ったらしい。さすがに数日はしょげてたけど・・・年も明けて
まもなくまた例の調子が戻りだしたよ。奥さん亡くなったというので新しい見舞客も
来たんだけど、毎回言うわけ、奥さんのアルバム前にして。
「あれも幸せな人生だったと思う」って。
馬廘言ってんじゃないよ、ってね。テメーさんざん奥さんのこといじめ抜いて
こき下ろして来たんだろうが。奥さん、お前に杀殳されたようなもんだろうが。
人生あんなふうに終わりたくないし、あんなふうに思われる人にもなりたくないし
いろいろ考えさせられる入院生活だったよ。
もうさすがにあの爺さんも生きてはいないだろうな。ザマァ見ろ。
706 :おさかなくわえた名無しさん 2018/06/25(月) 09:53:40 ID:HmCOhvjH.net
実は奥さんのことを大事に思ってて…みたいなオチを期待しながら読んだがそんなことはなかった
現実は非情である
707 :おさかなくわえた名無しさん 2018/06/25(月) 09:59:04 ID:ETKxPNd+.net
>>704
あの世でもやらかしてそうだね。せめて嫁さんとは別の世界で暮らしてますように。
708 :おさかなくわえた名無しさん 2018/06/25(月) 10:36:01 ID:crRdtWxX.net
娘さんの言うことは聞いてくれるのが救いの人だなあ
多分結構ある話
せつないね
712 :おさかなくわえた名無しさん 2018/06/25(月) 12:34:28 ID:9chH7YSY.net
>>704
10年前の時点で若くても80歳くらいでしょ
ザマァ見ろと言われても、普通に大往生じゃん
711 :おさかなくわえた名無しさん 2018/06/25(月) 11:43:00 ID:fpApYfr1.net
生まれ変わって今度は逆の立場を嫌というほど経験するといいなあ
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